自在に物事を見通す力を持った観世音菩薩様が、より深く人類を救済するための知恵を身に付けるべく、深い行に入っていた時のこと。
照らし見るに「五蘊(ごうん)はみな空(くう)」だと悟られたんだよ、舎利子君。
従って、全ての悩み苦しみは、此岸(しがん)から彼岸(ひがん)へ
あっという間に渡すことが出来るんだよ。
五蘊とは
色→目に見えるもの、現象を、
受→感じたり、
想→思ったり、
行→行動して、
識→判断、認識する。
それらは、
空→良いも悪いも、幸も不幸も、正義とか不正義とか存在しない。
空とは有るんだけど、何も性格付けされてない。
ただそれを、どう捉えるかという心があるだけ。
舎利子君よ、
色は空と異ならず、
空は色と異ならず、
色はすなわち、これ空なり、
空はすなわち、これ色なり、
受・想・行・識かくまた同じ、
だから
増えるということも無く、
減るということも無く、
明るいということも無く、
明るくないということも無く、
無いんです、
無いんです、
無いんです、、、
みんな私達が信じ込んでいるものは、
思い込みであって、全部、空なんです。
今のことが分かってしまうと、
無いんです、
無いんです、
無いんです、
私達がずっと信じ込んでいるものは、
有るとか、無いとか、
良いとか、悪いとか、
これも初めから無いんです。
どうやったら悩み苦しみを、此岸から彼岸へ渡すことが出来るのか?
自分の中に、全ての感覚の結論を、
「空なり」と認識したら、
どこにも、悩み苦しみは、無いでしょう。
良いも悪いも無いんです。
どっちでも良いのです。
投げかけたものが返って来るだけです。